記事の内容
・画家ジョットについて解説
・ジョットの絵画作品について解説
この記事を読むメリット
・絵画史に詳しくなれる
・イタリアでジョットの作品を見たくなる
画家ジョットについて解説!有名な絵画作品は?
こんにちは。松河潤です。
絵画というとやっぱり
「印象派」や「キュビスム」「ルネサンス」
といった時代や様式が思い浮かぶかと思います。
印象派についての記事はこちら
ルネサンスについての記事はこちら
しかし、優秀な画家がいたのはもちろんこのような時代だけではありません。
これらの時代に影響を与えた重要な画家もたくさんいます。
今回はその中の1人、ジョットについて解説していきたいと思います!
ジョットとは
ジョット・ディ・ボンドーネ(1267頃~1337.1.8)は
イタリア人の画家であり建築家です。
絵画様式としては、後期ゴシックに分類されます。
画家には死後に評価を高める遅咲きの人もいるのですが、
ジョットは生前から巨匠として高い評価を受けていた画家です。
同時代の画家、ジョヴァンニ・ヴィッラーニはジョットのことを
「同時代で最大の巨匠」と言っています。
『画家・彫刻家・建築家列伝』の著者ジョルジュ・ヴァザーリも、
「現実味溢れる素晴らしい絵画をもたらした」と大絶賛しています。
ルネサンスの先駆けといわれるのもジョットです。
ジョットの時代には、「ビザンティン様式」という、
どちらかというと平面的な絵画の勢力が強かったのですが、
ジョットは奥行きのある、現実的で自然な絵画を描きました。
そのため、ジョットは「西洋絵画の父」とまで呼ばれています。
「いや、奥行きを意識するなんて当たり前じゃん」
と、今でこそ思ってしまいそうですが、
ジョットの時代には奥行きを意識した描き方はされていなかったことを考えると、
だいぶ革新的なことをした画家です。
ジョットに関する記録は曖昧なものが多く、
実際はどうだったのかわかりませんが、
誰からも愛される羊飼いの少年だったという記録が残っています。
ジョットが岩に羊の絵を描いたところ、
フィレンツェ出身の巨匠チマブーエがそれを見てジョットを弟子にしたと言われています。
ジョットはリアルな絵を描くことが得意で、
チマブーエの工房で留守をしていたジョットが、
チマブーエの作品にハエを描いたところ、
本物と勘違いしたチマブーエがハエを追い払おうとしたエピソードは有名です。
師匠の作品に落描きをしたなんて知られたら普通は怒られそうなところですが、
そんないたずらですら話のタネになるという笑
とにかくジョットが並外れてリアルな絵を描いたのは間違いないです。
ジョットの絵画作品
荘厳の聖母
ジョットがフィレンツェンオニサンティ教会のために描いた祭壇画が
「荘厳の聖母」(1310年頃)です。
この絵はジョットが唯一描いた板絵だと言われています。
聖母の背景にいる人物の頭の大きさが聖母よりも小さかったり、
聖母の服の陰やしわに奥行きがあったりと、
同時代の絵画に比べるとリアルな描写が見られます。
十字架上のキリスト
「十字架上のキリスト」(1300~1305)もジョットの代表作として有名です。
磔にされたキリストの体が、立体感のある表現で描かれています。
全体的に暗い色調で、悲しい雰囲気がするのは
磔にされたキリストの精神を表していると言われています。
キリストの体が青白くて心配になってきますね…。
聖フランシスコの生涯
イタリアのバルディ礼拝堂にある聖フランシスコの生涯を描いた壁画シリーズの一つです。
服の表現や人物の表現に奥行きが感じられ、
画面の構成も安定しています。
ちなみに、聖フランシスコの生涯シリーズは、
礼拝堂の右壁面と左壁面とチャペル入り口のアーチのに描かれており、
礼拝堂を歩くとともに聖フランシスコの生涯を絵で見ることができるのでおすすめです。
まとめ
・ジョットは後期ゴシックの画家で生前から巨匠としての地位を確立していた
・ルネサンスやその後の西洋絵画に大きな影響を与え、「西洋絵画の父」とも呼ばれた
ジョットはそれまでにはなかった立体的な絵画を作成した第一人者です。
教会の壁画などを多く残しているので、
美術館で見る機会はあまりありませんが、
現地の教会に行ったときにはぜひ見てみてくださいね!
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