記事の内容
・アンリ・ルソーの作品について解説
・アンリ・ルソーについて解説
この記事を読むメリット
・アンリ・ルソーについて友達に語れる
・アンリ・ルソーの作品がもっと楽しめる
「夢」や「ジプシー女」などアンリ・ルソーの絵画について解説します!
こんにちは。松河潤です。
アンリ・ルソーといえば、言わずと知れた巨匠の1人ですよね。
今回はそんなアンリ・ルソーと彼の作品について解説していきたいと思います!
ルソーは美術館などでちょくちょく見かける画家なので
この機会に知ってもらえたらと思います!
他の有名画家についてはこちら
アンリ・ルソーとは?
アンリ・ルソー(1844.5.21~1910.9.2)はフランスの素朴派の画家です。
ルソーは実は画家が本業ではなくて休日に画家をしていたという珍しいタイプの画家です。
そのため、ルソーは「日曜画家」と呼ばれていました。(日曜大工的な意味で)
パリの入市税関の職員をしながら、美術展に作品を出展していました。
1893年には、絵に専念するため税関の職員の仕事は退職し、年金生活に入りました。
生前のルソーの理解者は
ゴーギャン、ピカソ、アポリネールなどの少数の友人だけでしたが、
日本ではルソーの作品は早い時期から紹介され、
多くの日本人画家に影響を与えました。
作風としては、
真正面か真横に向いている人間を描くことが多く、
風景には遠近感がないにも関わらずところどころ細部が几帳面に描かれています。
一見下手にも見えますが、
シュールレアリスムやキュビスムを先駆けした作風と言われています。
画家として実力があったのは間違いないでしょう。
ルソーがこのような絵を描いた時代は
ピカソもまだキュビスムを確立していなかったので、
かなり時代の先取りをしていたことになります。
後にルソーが評価されるようになったのも納得です。
絵画の時代についてはこちらの記事をどうぞ
ルソーの作品
夢
ルソーの代表作といえばやはりこの「夢」(1910)です。
ルソーはジャングルをテーマにした作品を多く描き、
その数は25を超えるほどなのですが、
この「夢」もそんなジャングルシリーズの一つです。
モネの「睡蓮」もそうですが
画家は自然の風景にこだわって描く人が多いような気がします。
絵のモデルはルソーの若いころのポーランド人の愛人ヤドヴィガだとされています。
ルソーはヤドヴィガをすごく気に入っていたようで、
「夢の楽園」という作品にもヤドヴィガが登場します。
ルソーは、この絵を理解できない人がいるかもしれないと思い、
「夢のための彫刻」という詩を添えています。
その詩から解釈すると、
この絵はパリの女性が自分がジャングルにいる夢を見ている、
というものになります。
横たわっている女性の裸体というのは、
古代からよく使われていたモチーフです。
マネの「オランピア」、アングルの「グランド・オダリスク」なんかもそうですね。
ジャングルの非日常でありながら
どこか楽園のような心地よさを感じさせる絵画です。
熱帯嵐の中のトラ
ルソーはジャングルをテーマにした作品を多く残したと言いましたが、
この作品はそんなジャングルシリーズの最初の作品です。
一見素朴に見える作品ですが、
実はジャングルの植物の青さを表現するために
様々な種類の緑を組み合わせています。
また、打ち付けるような雨の描写も、
銀色の絵の具をより糸で引き延ばすことによって表現しています。
ルソーのトラはドラクロワの作品から影響を受けていると考えられています。
確かに、こうしてみると少しトラの体勢が似ている気がしますね。
当時のフランスの人々は、
遠い異国の危険な光景に夢中になりました。
身の回りに危険がないとほしくなるのはジェットコースターを思い出しますね。
当時の人々からしたらアトラクションのようなものだったのかもしれません。
眠るジプシー女
この作品は、ルソーが故郷の町ラバルに寄贈しようとしたものです。
ルソーによると、
「旅の途中で疲れたジプシー女が寝ているところをライオンが見つけたが、
ライオンは近づくだけで食べようとはしない。
月光に照らされて非常に詩的な作品になっている。」
とのことです。
ライオンは獣たちを守る百獣の王であり
ジプシー女はルソー自身を投影しているという説が有力です。
しかしこの作品は人々に理解されず寄贈はされませんでした…。
画家によっては生前に評価されない場合もありますが、
このようなエピソードを聞くと少々かわいそうな気がしてきます…。
まとめ
・アンリ・ルソーは素朴派の画家で、ピカソやゴーギャンなどと交流があった
・ジャングルをテーマにした作品が多く、代表作「夢」はその中の一つ
・丁寧に工夫を凝らしながらも素朴に見える作風が特徴
ルソーの作品はどれも素朴に見えますが、
雨の描写や植物の色など、さまざまな技法を使って描いている画家です。
ルソーの絵を見るときは、
たださらっと見て終わるのではなく、そのような細部もこだわってみると面白いですよ!
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