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ルネサンスの絵画まとめ!有名画家は作品について紹介します。

記事の内容

・ルネサンスについて解説

・ルネサンスの有名絵画と画家を紹介

の記事を読むメリット

・絵画鑑賞に必須なルネサンスの知識が得られる

・ルネサンス絵画をもっと楽しめる

ルネサンスの絵画まとめ!有名画家は作品について紹介します。

こんにちは。松河潤です。

絵画の分類には様々ありますが、

中でも聞いたことが特に多いのは「ルネサンス」ではないでしょうか。

ルネサンス期の絵画は、現代からするとかなり昔の絵画、というイメージですが、

歴史的に有名な巨匠も多く、現代でも参考になる絵画が多いのが特徴です。

現代の私たちが油絵制作で悩んでいることのほとんどは、

実は、ルネサンス期の巨匠がもうすでに経験した悩みだったりします。

そのため、ルネサンスの絵画を分析すると、

現代でも役立つ知識が多くあることに驚きます。

そんな絵画好きならぜひとも知っておきたいルネサンスの絵画について

今回はまとめてみました!

ルネサンスとは?

まず、ルネサンスとは何か?

ということについて説明していきたいと思います。

ルネサンスとは、

古典古代の文化を復活しようとする芸術運動のことです。

ここでいう「古典古代」とはギリシアローマのことを指します。

14世紀のイタリアを中心に起こった運動で、絵画だけでなく芸術全般について

この運動が見られました。

ちなみに、「ルネサンス」とは、フランス語で「再生」「復興」の意味です。

このルネサンスが誕生したのには、実は様々な背景があります。

当時イタリアではキリスト教が主に信仰されていたのですが、

この当時のイタリア、特にフィレンツェは毛織物や銀行業で経済的に発展しており、

芸術運動を起こすのに十分な経済力がありました。

そのため、フィレンツェのメディチ家など、

芸術家を支援する協力なパトロンが多くいたのです。

特に重要なのは、1453年のコンスタンティノープル陥落です。

オスマン帝国によって東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルが陥落したのですが、

そのために多くのギリシア人がイタリアへ亡命してきました。

亡命してきたギリシア人は、ローマやギリシアなど古典古代の研究を盛んに行っていたため、

イタリアでローマ・ギリシアの文化が研究されるきっかけになりました。

ルネサンス絵画の特徴

ルネサンス絵画の特徴としては、

遠近法や解剖学、油彩技法の確立によって、

写実的で繊細な絵画が多いことです。

また、人間を描くことで神話を表現する絵画が多いです。

このような特徴は、上で書いた通り、

古典古代の文化を研究することによって、

人文学や解剖学など様々な学問が発達したことが大きいです。

ルネサンスには、

フィレンツェ・シエナを中心として遠近法などを使い始める前期ルネサンス

フィレンツェを中心として油彩技法や遠近法が発達する初期ルネサンス

ローマを中心としてダヴィンチやミケランジェロなどの巨匠が活躍した盛期ルネサンス

「マニエリスム」など独自の特徴がみられる後期ルネサンス

に分類することができます。

一口にルネサンスといっても細かく分けられているんですね!

ルネサンス期は約400年(!)もあるので

そんなに長い期間だと作風が変わるのは当然かもしれませんね。

初期ルネサンス期の有名画家

チマブーエ

チマブーエ(1240~1302)は、彼の絵画が

ルネサンスの始まりを告げているという説もあるほど重要な画家です。

弟子にはジョットがおり、

チマブーエとジョットのどちらがルネサンスを始まらせたかという議論もあります。

とは言っても、のちに出てくるラファエロやダヴィンチなどに比べたら

ルネサンス的ではない表現が多いです。

チマブーエの作品

チマブーエはルネサンスを始まらせた画家とは言え、

ルネサンス以前のゴシック様式の影響を強く受けている絵画が多いです。

しかし、彼の作品の中には他のゴシック様式の絵画とは異なり、

ルネサンスの特徴がみられるものもあります。

「聖母と天使たち」(1270年頃)もその一つです。

確かに、図形的で画一的な構成や平面的な配置はルネサンスの前時代の表現ですが、

人物の表情のリアルさや立体的な描写などがみられるところもあり、

ルネサンスの表現に近づいている面が見られます。

フィリッポ・ブルネレスキ

フィリッポ・ブルネレスキ(1377~1446.4.15)は

遠近法の発明で有名です。

彫刻や建築なども手掛けていたので、

その経験が遠近法を生み出したのかもしれませんね!

フィリッポ・ブルネレスキの作品

そんなブルネレスキの代表作は「三位一体」です。

サンタ・マリーア・ノヴェッラ聖堂の壁画で、

ブルネレスキの発明した遠近法が背景に使われています。

先ほどのチマブーエに比べると画面に奥行きがあるのがわかると思います。

フラ・アンジェリコ

Fra Angelico portrait.jpg

フラ・アンジェリコ(1390-1395頃~1455.2.18)は

別名「ベアート・アンジェリコ(福者アンジェリコ)」とも呼ばれました。

彼は宗教的モチーフを描くことに特に優れていたためこのように呼ばれたようです。

1982年には教皇ヨハネ・パウロ2世がアンジェリコを福者に認定し、

別名だけでなく、本当に「ベアート・アンジェリコ」となりました。

ジョルジョ・ヴァザーリ『画家・彫刻家・建築家列伝』では

「稀に見る完璧な才能の持ち主」と大絶賛されています。

フラ・アンジェリコの作品

フラ・アンジェリコといえばやはり宗教的な絵画が多いのですが、

特に紹介したいのはこの「受胎告知」(1437~1446頃)です。

「受胎告知」は聖母マリアが処女懐胎することを

天使から告げられる、という場面であり、

多くの画家に描かれてきたモチーフです。

「福者」と呼ばれたアンジェリコも例外ではなく、

「受胎告知」を描いているのですが、

この作品は初期ルネサンスにおける聖母画の傑作と呼ばれています。

サンドロ・ボッティチェッリ

Sandro Botticelli 083.jpg

サンドロ・ボッティチェッリ(1445.3.1(?)~1510.5.17)は

メディチ家の保護のもと、宗教画や神話画の傑作を多く残した人物です。

現在でも名前を聞いたことがある、という人は多いのではないでしょうか。

人間のモチーフで神話を表現することが多い画家です。

サンドロ・ボッティチェッリの作品

ヴィーナスの誕生(1485年頃、ウフィツィ美術館)

ボッティチェッリといえば、「春」「ヴィーナスの誕生」で有名ですが、

「春」の方は他の記事で説明してしまったので、

今回は「ヴィーナスの誕生」(1485)について紹介します。

「ヴィーナスの誕生」は女神ヴィーナスが海から誕生した様子を描いています。

この様子はギリシア神話の光景をもとに描かれており、

テーマ選びにもルネサンスの特徴が見て取られます。

レオナルド・ダ・ヴィンチ

Leonardo da Vinci - presumed self-portrait - WGA12798.jpg

レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452.4.15~1519.5.2)は

絵画の分野だけでなく、音楽、数学、建築など様々な分野で活躍しました。

「万能の天才」と呼ばれることも多い人物です。

確かに、こんなにもいろんな分野で活躍出来たら「天才」と呼ばれても仕方ないですよね。

あらゆる分野でも活躍し、その知識を絵画にも生かしたことで

ダ・ヴィンチの絵画のクオリティは目を見張るものになりました。

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品

Leonardo da Vinci (1452-1519) - The Last Supper (1495-1498).jpg

ダ・ヴィンチといえば、「モナ・リザ」などでも有名ですが、

「モナ・リザ」は別の記事で紹介してしまったので、

今回は「最後の晩餐」(1495~1498)について紹介します。

「モナ・リザ」についてはこちら

「最後の晩餐」は『新約聖書』に記されている、

キリストと12人の使徒の晩餐のシーンを描いたものです。

この時キリストは、12人の使徒のうち誰かが裏切ることを予言しています。

また、遅筆ゆえにほとんどの作品が未完のダ・ヴィンチにしては珍しく、

この作品は3年という短い時間で完成しています。

一点透視図法を使って画面の奥行を表したり、

手の表現を使って使徒たちの感情を表したりして

中央のキリストに視線が集中するようにしています。

ミケランジェロ・ブオナローティ

Miguel Ángel, por Daniele da Volterra (detalle).jpg

ミケランジェロ・ブオナローティ(1475.3.6~1564.2.18)は

彫刻や建築の分野でも活躍したため、

ダ・ヴィンチと同様、

「万能の天才」と呼ばれました。

現在も西洋美術史上最高の芸術家とも言われます。

存命中から「神から愛された男」と呼ばれるなど、

生前から偉人あつかいだったようです。

今でいう吉田沙保里みたいなものでしょうか。

やはりどの時代にも人間離れした人物は存在するということなのでしょうね。

ミケランジェロ・ブオナローティの作品

そんなミケランジェロは教会や礼拝堂の壁画を頼まれることが多く、

代表作「最後の審判」(1537~1541)もシスティーナ礼拝堂の祭壇壁画です。

描かれている人物の数はなんと400名以上!

これだけ多くの人物を描くのもすごいですが、

画面構成も素晴らしいです。

中央でキリストが死者にさばきを下しており、左側には天国に行く人々が、

右側には地獄に行く人々が配置されています。

ミケランジェロはこの絵を描くにあたって、

ダンテの「神曲」を参考にしたと言います。

音楽からインスピレーションを受ける、というのは現代でも聞きますが、

この時代でもそれは変わらないようですね。

ラファエロ・サンティ

Raffaello Sanzio.jpg

ラファエロ・サンティ(1483.4.6~1520.4.6)は

ダ・ヴィンチやミケランジェロと共に

ルネサンスの三大巨匠とも呼ばれています。

作風としては、人間の柔らかでリアルな描写が特徴的です。

ラファエロは、ローマ以外ではラファエロの絵画をもとにした版画でよく知られていました。

版画についてはこちら

ラファエロ・サンティの作品

Raffael 058.jpg

ラファエロは37歳という若さで亡くなりましたが、

大規模な工房を持っていたこともあり、

残した作品の数はかなり多いです。

この「アテナイの学堂」(1509~1510)もそんなラファエロの作品の一つです。

この絵に描かれている人物はすべて古代ギリシアの哲学者です。

中央の人物がプラトンとアリストテレスなことは間違いないのですが、

ラファエロは誰が誰かをはっきり言わなかったためいまだに登場人物が議論されています。

この学堂はギリシャ十字の中にあるのですが、

これはキリスト教神学とギリシア哲学の調和を考えて描かれたと言います。

細部までも見どころがあって考察が尽きない絵画の一つです。

まとめ

RAFAEL - Madonna Sixtina (Gemäldegalerie Alter Meister, Dresden, 1513-14. Óleo sobre lienzo, 265 x 196 cm).jpg

・ルネサンスは14世紀のイタリアを中心に起こった芸術運動

・有名な画家には、ダ・ヴィンチやミケランジェロなどがいる

ルネサンス期の美術は奥が深く、この記事だけでは語りつくせないことばかりです。

あなたもこの記事を読んでルネサンスに興味を持っていただけると嬉しいです。

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