記事の内容
・写実主義について
・写実主義の有名な画家について
この記事を読むメリット
・写実主義について知ることができる
・写実主義で有名な画家について知ることができる
・写実主義の企画展をもっと楽しめる
この記事を読まないデメリット
・写実主義についてわからない
・美術館で写実主義の企画展を見てもよくわからない
写実主義を解説!有名な画家は?
こんにちは。松河潤です。
「写実主義」って知っていますか?
19世紀に生まれた絵画の流派の一つです。
見たものをそのまま描いた絵のこと?
と思ったら実はそれだけではないんです。
今回は、そんな写実主義について解説したいと思います!
写実主義とは?
まず、「写実主義」とは何なのか?
19世紀、フランスではロマン主義が絵画の主流でした。
ロマン主義とは、
18世紀後半から19世紀中頃の間のヨーロッパに興った芸術運動で 、
伝統的な社会体制や宗教に反発する動きです。
伝統的な社会体制や宗教と聞くと、
堅くて、ルールで守られた社会のようなイメージがあると思いますが、
ロマン主義はこのようなイメージに対抗するように、
自由な感情表現やいろんな美の形を尊重しました。
このようなロマン主義の流れに対抗して動き出したのが写実主義です。
写実主義では、
とにかく現実的な日々の風景を、写実的に描こうとしているのが特徴です。
この写実主義は、フランスの画家クールベが提唱したと言われています。
写実主義の有名画家
オノレ・ドーミエ
オノレ・ドーミエ(1808.2.26~1879.2.10)は
フランスの画家であり、風刺版画家です。
油彩画家としては、アンリ・ルソーやフィンセント・ファン・ゴッホなどに影響を与えました。
アンリ・ルソー、フィンセント・ファン・ゴッホについてはこちら
14歳の頃、アレクサンドル・ルノワールという画家に師事し、
有名な私塾やアカデミーにも通っていました。
当時ジャーナリズムの勃興期にあったフランスで、
ドーミエは版画家としての才能を評価され、
国王や政治家を風刺した版画で世に知られました。
しかし、彼の油絵は生前にはほとんど公開されず、
彼の死後、表現主義や印象派を先取りしたものとして高く評価されました。
オノレ・ドーミエの代表作
ドーミエの作品として、「三等客車」(1862頃)があります。
人であふれる客車の風景、そしてそこに座る人達の表情を細かにとらえています。
ジャン・フランソワ・ミレー
ジャン・フランソワ・ミレー(1814.10.4~1875.1.20)は19世紀のフランスの画家で、
特に農民画で知られます。
ミレーは当時あまり描く人のいなかった農民画を描いたことで有名で、
農民の等身大の生活・苦痛を自身の作品で表現していると言われています。
ミレーの代表作
ミレーの代表作と言えば、「落ち穂拾い」(1857)も有名ですが、
「晩鐘」(1857~1859)も見逃せないでしょう。
この作品は、
作家で美術収集家のトマス・ゴールド・アップルトンの注文で描かれたものです。
この作品には様々な解釈が存在し、
夫は帽子をとっているだけで祈ってはいないと、
宗教的役割を女性にのみ負担させていたとする解釈や、
ジャガイモしか食べられない貧しい農民の生活を描いたともいわれています。
いずれにせよ、当時の社会をそのまま記録する写実主義の考えに合った作品と言えます。
ミレーの「落ち穂拾い」についてはこちらから
ギュスターヴ・クールベ
ギュスターヴ・クールベ(1819.6.10~1877.12.31)はフランスの写実主義の画家です。
21歳の時に、ソルボンヌ大学の法学部に進学しますが、
法律家ではなく画家を目指し、アカデミーに通い、
ルーヴル美術館で巨匠の作品を模写しました。
1855年のパリの万国博覧会に
「画家のアトリエ」(1849)と「オルナンの埋葬」(1855)を出展しようとしますが、
これらの作品は落選してしまいました。
そこでクールベは博覧会場のすぐ近くに小屋を建て、
「クールベ作品展」を開催しました。
当時は「個展」の習慣がなかったため、
クールベの個展は世界初の「個展」と言われています。
ギュスターヴ・クールベの代表作
「オルナンの埋葬」(1849)はクールベの代表作と言われていますが、
当時の評価は散々でした。
当時、作品名は「オルナンの埋葬に関する歴史画」という名前だったのですが、
当時のフランスの人々にとって、「歴史画」とは
古代の神々や殉教者、英雄、などを理想化された姿で描いた
格調高い絵画というイメージのものだったので、
オルナンという田舎で、埋葬という行為を行う様子を描いたこの作品は
「歴史画」のイメージにふさわしくないとみなされたのでした。
まとめ
・写実主義はロマン主義に対抗してできた流派で、現実の風景を写実的に描こうとしている
・写実主義で有名な画家には、ドーミエやミレー、クールベなどがいる
「写実主義」は当時の社会をそのまま描いたものなので、
当時の社会を知る資料としても価値が高いです。
美術館に行った際には、
是非当時の社会を思い浮かべながら鑑賞してみてください。
「油絵を自分でも描いてみたい!」
という場合にはこちらもどうぞ
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