記事の内容
・「城」や「塔」を描いた絵画について解説
・「城」屋「塔」の西洋絵画の作者についても解説
記事を読むメリット
・歴史や時代背景をなぞりながら名画について知ることができる
城を描いた絵画を紹介!作者についても解説します。
こんにちは。松河潤です。
西洋絵画には、実在の人物や場所、神話を描いたものが多いのですが、
そのような絵画を見てみると、当時の時代背景や歴史、神話の世界などもわかることが多いです。
そこで今回は、
「城」や「塔」を描いた絵画に注目して、
絵画とその背景、テーマについて解説したいと思います!
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「城」や「塔」を描いた絵画
ドルバダーン城
この絵画は「ドルバダーン城」(1800)といいます。
ドルバダーン城とは、13世紀のイギリスのウェールズの北西部に実在した城です。
ウェールズの王子オーウェンは、
弟との権力争いに負け、
1255年から1277年の間、ドルバダーン城に幽閉されてしまいます。
そのような時代背景がこの絵画に含まれているのは間違いないでしょう。
権威ある城であるにも関わらず、遠くにぽつりと建っている様子は哀愁を感じます。
「ドルバダーン城」の作者は?
そんな「ドルバダーン城」を描いたのは、
ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775.4.23~1851.12.19)
という、イギリスのロマン主義の画家です。
理髪師の息子として生まれ、
1789年にトーマス・マートンという風景画家に弟子入りし、絵画の基礎を学びました。
そして、1799年に24歳という若さでロイヤル・アカデミーの準会員になりました。
ターナーはもともとは写実的な風景を多く描いていたのですが、
1819年にイタリアを旅行して以来、ヴェネツィアが大好きになり、
ヴェネツィアの空気や光を表現することが多くなりました。
黄色が好きで、絵の具はほとんど黄色を使っていたことも有名です。
バベルの塔
こちらは「バベルの塔」(1563)という絵画です。
「バベルの塔」とは、
『旧約聖書』の『創世記』に登場する塔のことであり、
一般には実現不可能と考えられるような天にも届く塔を人々が作ろうとしたものの、
起こった神に壊されてしまうという逸話を持った塔です。
この絵画のバベルの塔は、意図的にローマのコロッセオ(闘技場)に似せて作られています。
なぜかというと、キリスト教徒にとってバベルの塔は
尊大さとキリスト教迫害の象徴だからです。
この「バベルの塔」が描かれたのには、
当時の時代背景も関係しています。
バベルの塔は、
当時宗教的儀式をラテン語で行っていたカトリック教会と、
世俗的な言語を使っていたプロテスタントとの論争の象徴にもなっていたからです。
名画の題材には、それが描かれた意味があるものもあります。
このような背景を知ったときはテンションが上がりましたね…!
「バベルの塔」の作者は?
そんな「バベルの塔」の作者は
ピーテル・ブリューゲル(1525-1530頃~1569.9.9)です。
農民をテーマにした作品が多いことから、「農民画家」とも言われます。
ブリューゲルはオランダの画家で、
この「バベルの塔」が描かれた時代のオランダは
ちょうどプロテスタントが台頭していた頃でした。
ブリューゲルの周囲でも宗教論争を意識する機会があったのでしょうか。
このようなことを想像してみるのも面白いですね。
まとめ
・歴史的建造物を描いた作品からは、当時の情勢や時代背景を読み取れるものがある
絵画を観察して、技法や表現を見るのも良いですが、
このような時代背景を頭に入れて鑑賞するとまた違った見方ができるかもしれません。
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